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1話：華麗なる人びと

私立性蘭学園高等部の1年B組に入学した御苑生奈々子。そこは、折原薫、一の宮蕗子、朝霞れいという3人の先輩生徒と、彼女たちに憧れる乙女の花園だった。この学園には“ソロリティー”という社交クラブがあり…。

2話：ガラスの靴

ソロリティーメンバーズ候補生発表の日。1年B組では、信夫マリ子、折原薫、奈々子が候補生となる。ソロリティーに憧れるマリ子は、奈々子まで選ばれたことに喜び、ソロリティーの存在に異議を唱える薫は辞退する。

3話：奈々子失格?

ソロリティー候補生に指名されて以来、悪質な嫌がらせが奈々子を襲う。それに耐え切れず、正式メンバーの選考会を兼ねたパーティーへの出席を辞退しようとする奈々子だったが、親友･智子の励ましに思いとどまる。

4話：オルゴ－ル

パーティの翌日、ソロリティーの正式メンバーが発表され、そこにはマリ子と奈々子の名が。パーティーを欠席した自分の合格に驚いたのは奈々子だけではなかった。周囲から妬まれた奈々子は、徐々に孤立していき…。

5話：疑惑の刺

ソロリティー入会の儀式の日、奈々子たちは準備作業に駆り出された。だが奈々子は、そこで信じられない光景を目撃し、愕然となる。何と、宮さまがサン･ジュストの手にわざと剣山を落としたのだ。

6話：迷い道、ひとり

ソロリティーメンバーに選ばれて以来、学校中が奈々子の敵だった。スポーツバッグが見当たらず、智子に体操着を借りようとする奈々子。だが智子は、ソロリティーメンバーに貸すような上等な体操着はないと言い放つ。

7話：闇の時計塔

宮さまの言葉でソロリティー奪回を思いとどまる奈々子。しかし、終わることのない嫌がらせに耐えかね、時計塔へ向かう。そこには過去の在校生たちの悩みが綴られていた。そして、時計塔にはもうひとり生徒がいて…。

8話：あなたが欲しい

奈々子と智子が友情を取り戻したことに危機感を募らせるマリ子は、誕生日パーティーに奈々子を招く。マリ子に恐れを感じつつも、断れない奈々子。だがホテルの大広間には、マリ子とその母、そして自分しかおらず…。

9話：発病、砕かれた心

マリ子の狂気を垣間見た奈々子は、あのパーティー以来、彼女に心を許すことができない。そんなある日、薫が突然倒れる。れいならば痛み止めを持っているはずと、薫は奈々子にサン･ジュストを探すよう頼むのだが…。

10話：マリ子…

日に日にやつれていくマリ子を心配する薫。だがマリ子は、人気者の薫に自分の孤独が理解されるはずもないと、厚意を受け入れず、とうとう病院に担ぎ込まれる。マリ子の母に彼女の入院を伝えに行った奈々子は…。

11話：楡の木にて

ソロリティーメンバーズ恒例の中間テスト勉強会。蕗子は珍しくサン･ジュストを誘い、楡の木の下に迎えに来ると約束する。忘れ物をして学園に戻った奈々子は、大雨の中、木の下で待つサン･ジュストの姿を見つけ…。

12話：きずあと

れいのマンションを訪れた薫は、蕗子への憧憬をいつまでも捨て切れないサン･ジュストに業を煮やし、蕗子の呪縛の象徴ともいえるブレスレットを腕からもぎ取る。ブレスレットの下には、深い傷跡が隠されていて…。

13話：心中伝説

深夜にもかかわらず、薫と共にサン･ジュストの介抱を続ける奈々子。薫のサン･ジュストに対する思いやりと友情の深さは、自分の人生の中には存在しないものだと感じた奈々子は、二人の間柄を心の奥で羨む。

14話：秘密の扉

時計塔でサン･ジュストが発した言葉は、彼女と蕗子が心中を企てたことがあることを示唆していた。中間試験を控え、サン･ジュストのことばかり考えている奈々子は、思い切って彼女のところへ食べ物を持って行く。

15話：蕗子、海鳴り

1年C組の仲矢順子は、発熱して中間試験で50位以内に入れず、宮さまにソロリティーの自主退会を命じられた。奈々子は抗議するが、宮さまは「誰のおかげでソロリティーに入れたとお思いなのかしら？」と言い放つ。

16話：カムバック

復帰後、初めての練習試合に臨む薫。薫を慕うようになったマリ子は、バスケに興味のない智子たちも応援に駆り出そうとする。今後の試合で全勝したいと宣言する薫だったが、相手のチャージを受けて病院へ運ばれる。

17話：追伸

わずか1日で退院した薫を、喜んで迎えるマリ子。奈々子は、そんなマリ子の姿に改めて好意を感じ、羨ましく思う。そんなある日、奈々子はおにいさまに宛てた手紙を学内に落とす。そして、その手紙は宮さまの手に…。

18話：夢の中へ

校門前でバスを降り損ね、サン･ジュストに誘われ、授業をさぼって散歩する奈々子。だがそこに偶然、辺見武彦と彼の友人･一の宮貴が現れる。奈々子はそこで初めて、貴と宮さまとサン･ジュストが3人兄妹だと知る。

19話：うたかたゲ－ム

自分が発した言葉をサン･ジュストがどう受け止めたのか、奈々子は気になって仕方がなかった。情緒不安定に陥り、授業中に泣き出したりする奈々子の様子を心配した薫は、彼女を喫茶店に誘い、温かい忠告を与える。

20話：花鋏

辺見武彦から学園祭に招かれ、舞い上がる奈々子。それに心を乱された宮さまは、学園祭当日の午前、奈々子をお茶会の相手に指名する。指示通り、奈々子はソロリティーハウスの納戸にティーセットを取りに寄るが…。

21話：学園祭

学園祭に来た奈々子、智子、マリ子を、武彦と貴が迎える。奈々子と智子を男たちから守ろうと意気込むマリ子。だが、人混みではぐれ、貴と二人きりに。男嫌いのマリ子に手を焼きつつも、貴はほのかな親愛の情を抱く。

22話：夏の日のセレナ－デ

誕生日パーティーの準備のため、奈々子とマリ子を別荘に招く蕗子。夜中に宮さまが鳴咽を漏らすのを聞いた奈々子は、翌日家政婦から、宮さまが泣いていたその部屋は、彼女が12歳の時の状態のままだと教えられる。

23話：禁じられた贈り物

宮さま18回目のバースデイパーティー。ソロリティーメンバーズから豪華なプレゼントが贈られ、奈々子は圧倒される。宴もたけなわとなり、サン･ジュストは、蕗子が好きだと信じていた曲をバイオリンで弾き始め…。

24話：アンコ－ル

蕗子の逆鱗に触れた理由が分からないサン･ジュストは、貴から衝撃の事実を聞かされる。6年前の夏、蕗子は辺見武彦に心を奪われ、パーティーの席で彼のために弾こうと、バイオリンであの曲を一生懸命練習したが…。

25話：薔薇のル－ジュ

蕗子からプライドを奪い去った原因が辺見武彦にあると知ったサン･ジュストは、武彦に会いに行く。だが蕗子の名誉と誇りを思うと、聞きたいことを聞き出せない。一方、奈々子は、蕗子から時ならぬ愛の告白を受ける。

26話：あかし、二人だけの雪

恋のために誇りを失った蕗子に、耐え難い怒りと悲しみを感じるサン･ジュスト。サン･ジュストの心の痛手を和らげようとマンションに向かう奈々子だったが、そこに立ちはだかったのは蕗子その人だった。

27話：マリ子刃傷事件

奈々子と智子に両親が離婚すると告げるマリ子。そのあっさりとした態度の裏にある悲しみを察知した奈々子は、彼女のそばにいてやろうと考える。だが、作家であるマリ子の父の離婚はゴシップとして写真雑誌を飾り…。

28話：クリスマスキャンドル

事件以来、失踪してしまったマリ子。娘の不祥事が自分たちの離婚にあると、彼女の母は自責の念にさいなまれる。一の宮貴に付き添われて家に戻ったマリ子だったが、またしても常軌を逸した行動に出る。

29話：生徒総会

マリ子の事件を機に、奈々子もソロリティーを去る。薫はソロリティー廃止の必要性を痛感し、サン･ジュストに相談を持ち掛ける。だが彼女は「ソロリティーは蕗子に残されたたったひとつの誇りだ」と激しく動揺する。

30話：署名運動

ソロリティー廃止の署名運動を始める薫。奈々子は智子も巻き込み、積極的に活動する。そして、蕗子の誇りを本当の意味で守るべく、サン･ジュストも運動に協力。一方、モナリザたちにそそのかされた園部と古田は…。

31話：腐った果実

署名運動に浮き足立つメンバーを横目に悠然と振る舞う蕗子。だが、そんな蕗子の態度とは反対にメンバーの不安は募る。ソロリティーの行方を案じたボルジアたちは、蕗子が奈々子の入会に固執した理由を探ろうとする。

32話：誇り、ラストミ－ティング

ついにボルジアたち有力メンバーもソロリティーを退会し、廃止運動の署名簿に名を連ねる。孤立した蕗子はサン･ジュストを訪ね、昔ふたりで歩いた雪の海岸に想いを馳せる。そして蕗子は緊急のお茶会を招集するが…。

33話：飛翔

署名運動はついに理事会を動かし、緊急会議が開かれることに。誇り高い蕗子の姿を見たサン･ジュストは、久々に心の平穏を手に入れた。そしてある夜、サン･ジュストは奈々子を呼び出し、蕗子の秘密を打ち明ける。

34話：沐浴

家路についた奈々子は、駅の改札で思い詰めた様子の智子に出会う。彼女に連れられて訪ねた病院の部屋には、横たわるサン･ジュストの姿があった。彼女は跨線橋から落ち、帰らぬ人となっていたのだ。

35話：夢海岸

サン･ジュストの葬儀が執り行われた。式の間中、悲しみを耐え、毅然と振る舞う蕗子。その夜、眠れぬ奈々子は、自分でも気が付かぬまま、サン･ジュストの部屋に向かっていた。その部屋には蕗子も独り訪れていて…。

36話：蛍火、恋に燃えて…

蕗子の決断でソロリティーは解散。奈々子は、サン･ジュストが亡くなった跨線橋の上で、薫が泣き崩れているのを目にする。病のために余命の知れない薫は、サン･ジュストの死に誰よりも強い衝撃を受けていたのだ。

37話：回転木馬(メリ－ゴ－ランド)

奈々子に自分の病の正体とそれゆえに武彦への愛を貫けないことを告白する薫は、奈々子と武彦が本当の兄妹であると明かす。時を同じくして、奈々子の父･御苑生教授は、隠していた兄の存在を知らせようと決心する。

38話：YES…

ドイツ留学が決まり、薫に一緒に行こうと説得する武彦。だが、あと5年しか生きられないかもしれない薫は、彼の未来を思うと、その愛を受け入れられない。自暴自棄になる武彦の姿を見た奈々子と貴は薫を訪ねるが…。

39話：残り香

ついに武彦と薫は結婚を決意した。母とマンションを借りたマリ子。そしてサン･ジュストの幻影と恋を語らう蕗子。それぞれが新しい世界への一歩を踏み出そうとしていた。挙式を終えた薫は、武彦とドイツへと旅立つ。