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1話：不可視の9番

突然の停戦。その報せをアリスは士官学校の卒業式で、ランデル・オーランド伍長は焦土の市街地で聞く。３年後、帝国は飢餓、疫病、略奪者に転じた兵隊など、戦争の負の遺産に苦しんでいた。

2話：戦災復興部隊

陸軍情報部第３課に迎えられたオーランド伍長。新入りの彼はアリス少尉ほか上官たちとウォルキンスの領地に向かう。治安悪化を進言する差出人不明の嘆願書の真偽を確かめるためだ。

3話：其は貴きものなりて

アリス少尉に、崩落したトンネル復旧の任務が下る。実動小隊は南部の村にシールド車を運び込み、地元住民に工事を発注するが、村人たちは帝国を信用せず、受注を拒否。やむなくアリスは…

4話：ヒビ割れた肖像

存在しないものとして編成された対戦車部隊の記憶は、オーランド伍長の心に闇を落としていた。しかも、領民を虐待していたウォルキンス伯爵の戦車には、ある高度な軍事技術が施されていたのだ。

5話：あさはかな者達(おとこたち)

負傷したオーランド伍長は入院中だが、なかなか安静にはしてくれない。見舞いにきたアリスたちはそれを咎めるが、相部屋患者の老人ワンツは、仲間同士のやりとりを微笑ましく眺めていた。

6話：豊饒(ほうじょう)な時間

朝、遅刻してきたオーランド伍長。陸軍情報部の局舎正門へと駆け込もうとした彼は、路上のカゴを発見する。中には、生後間もない赤ん坊と「立派な軍人に育て上げてほしい」という書き置きが。

7話：踊る者踊らされる者

匿名のタレ込みに基づいて、配給品横領の調査に向かう陸情３課の面々。だが、いつもの顔ぶれの中にアリス少尉の姿はない。婚約者に会うため…。それが彼女の休暇取得の理由らしかった。

8話：雪原に燃えて

白銀の世界に銃声が響く！ ３課実動隊の乗った雪上車を山賊団が襲う。銃撃、さらに手榴弾によってタイヤ部分を破壊された車輌は、あえなく横転、山道を逸れて切り立つ崖の下へと呑み込まれていった。

9話：朝霧の女

霧がたなびく夜明けの街。朝帰りのオレルド准尉は、橋の上から川をのぞき込む女に目を留める。「まさか身投げ？」。疑いを抱いた彼は、自殺を思いとどまらせようと車道に飛び出す。

10話：カボチャとハサミ

救援物資の運用状況を視察するため、貴族の居城を訪れた陸情３課実動隊。だが、相手は戦車まで持ち出し武力で抵抗。アリスに突進する戦車をオーランドが食い止め、窮地を脱する。

11話：静かなる胎動

記者ドルトンが３課の取材に来た。アリスは、復興にかける思いを熱く語った。その夜、ドルトンはコルトゥ博士の元を訪れ、３課で「ドアノッカー」を身につけた男がいた事実を告げる。

12話：見えざる痛み

誘拐されたまま消息を絶ったアリス少尉。その頃、新聞記者ドルトンは陸情３課を再訪し、対戦車銃「ドアノッカー」の存在から零距離射撃を行う兵士、オーランドの来歴を探りにかかる。

13話：粗野にして美味

隣国ローデリアの姫セッティエームが、お忍びで帝国を訪れるという報せが入る。目的は陸情３課が捕らえたローデリア国籍の密輸業者の解放。

14話：焔、いまだ消えず

帝都の地下水道。火傷を負った同僚を伴い、陸情１課隊員が必死の抵抗を続ける。火焔放射器を手にした兵士ハンスは「寒イ、寒イ」と幾度もつぶやきながら、淡々と標的を焼き尽くしていく。

15話：迷走する選択

火炎放射器を手にした兵士ハンスが出現。マーチスは脱出を試みるが、炎の壁がジープの退路を断つ。そこへ後方から追いついた水道局員たち。火炎放射器は容赦なく炎に包んでしまう。

16話：斬り裂きし者

難民たちに常習性薬物をばらまき続ける水道局の長ミヨン。背後には「銀の車輪結社」の暗躍があった。強圧的な組織の態度にいら立つミヨンは、結社を威嚇するが底知れぬ力を思い知らされる。

17話：なお救われぬ闇たち

陸情１課・実動第１小隊「クレイモア・ワン」の攻撃から水道局長ミヨンを守るハンス。部隊「908HTT」唯一の生存者である彼は、忌まわしい記憶に悩まされながら…。

18話：小さな戦力

水道局での一件以来、陸情３課は重々しい空気に包まれていた。ステッキン曹長はダンスでみんなの明るさを取り戻そうとこっそりひとりでステップを踏むが、これは予想外に恥ずかしかった。

19話：甘い罠

「結婚します」とハンクス大尉に報告して休暇を取ったアリスは、舞踏会の行われる会場へ向かっていた。一方、食糧配給用の仮設テントでは、留守を預かる３課の隊員が複雑な気持ちで働いていた。

20話：演者入場

高台の舞踏会会場。アリスはレオニールに誘われてダンスを踊るが、心は虚ろだった。同じ頃、パウロ侯爵の不正を公にするとともに、突入を計画していた市民の一団。

21話：木偶と偶像

不正を働くパウロ侯爵に鉄槌を下そうと、舞踏会場を平民が襲撃する。一方、その動きを察知していた陸情１課のコネリー少佐は周囲を封鎖し、予想される惨劇によって同課の権限拡大を狙っていた。

22話：孤独な天秤

パウロ侯爵の盾となる護衛、アランとジャン。アリスはアランと、オーランドはジャンと対決し、その攻撃に苦しめられている。隣国ローデリアの近衛兵として戦闘訓練を積んできたふたりは、予想以上の強敵だった。

23話：そして甘い罠

アリスは、オーランド伍長の言葉から陸情３課少尉としての自信を取り戻す。アランの武器・山鉈（マチェット）にひるまず、突き出される短剣。アリスは劣勢から互角の勝負へと態勢を立て直す。

24話：軍人・平民・貴族

死闘は決着したが、パウロ侯爵を討つ目的が果たせず、怒りの矛先をアリスに向ける者もいた。やむなく彼らと闘う姿勢に入るアリス。その衝突を制止したのはなんとパウロ侯爵自身であった。